名称未設定ファイルを面白く読めるかで年齢がだいたいわかる気がする

名称未設定ファイルという作品とkindleアンリミッドで出会ったので、さっそく読んでみた。

目次

この作品はキンドルアンリミテッドを使用して無料で読みました。

年齢制限有〼

この小説は年齢制限がある。

ある年齢層からは突然、この小説の面白さがわからなくなるのではないか。

いや、厳密に言うならば、年齢制限のある話が含まれている。

というのも「名称未設定ファイル」はショートショートの短編集である。

確かな観察眼で現代社会を昇華させる

そのすべてに通じているのが、最近の世の中(ネットを中心とした)を「ネタ」にしているという点。

たとえば「ブログ」「Twitter」などについて書かれ、斜に構えた筆なのだが、それがどうにも本質を捉えている。

まるで星新一の現代版のよう。

度肝を抜かれる1話目

1番最初の短編、「猫を持ち上げるな」にまず度肝を抜かれる。

猫を持ち上げた画像がTwitterで「猫が嫌がっているじゃないか」と炎上する。

それからは匿名で誰もが言いたい放題の意見を言い、徐々にネットから世間へと波及していく。

すると今度が識者のような人が出てきて、極論を言う。

そこからはもう収拾がつかない。

愛猫家、動物愛護団体、とかなんとか、みんながそれぞれの意見を言い合い、反論なんて受け付けない。

皆意見を言うだけで、相手の言うことは考えない。

そうして、気が付くと急に誰もその話題を出さなくなる。

きっとどこかで他の煙が上がったのだろう。

なんてことがこの小説内で語られ、そして現実に起きている。

どこかで起きている、あるいは自分自身?

他にもTwitterとゲームアプリばかりで現実をないがしろにしていた大学生がどこかで亡くなった話。

現実よりTwitterの世界を満喫していた大学生が、どこかでなくなってもTwitterの世界の友達は誰も気が付かない。

当然だけど、読んでいてはっとさせられることがある。

流石にここまでと思っているこの小説の登場人物と、自分が同じ行動をとってはいないだろうかと。

もちろんこの作品はそう言った現代社会を皮肉った作品だけではない。

色々なテーマが短く織り込まれている。

その分、人によって、この作品は面白かった、外れだったという感想、わかる、わからないという思いを持つかもしれない。

それも含めてこの作品である。

私は幸か不幸か、その年齢制限をクリアしていたので、大半のお話を大変面白く読み切ることができた。

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